冬の静寂と温もりを愉しむ:大人の冬旅10選(非スノボ派向け)


冬の旅といえばスキーやスノボが定番ですが、「寒いのは苦手だけど冬の風情は楽しみたい」「温泉に入って美味しいものを食べて、のんびりしたい」という方も多いはず。今回は、ウィンタースポーツをしなくても存分に満喫できる、東京近郊の冬の目的地を厳選しました。

目的地移動手段冬ならではの魅力アクセス・所要時間費用目安(交通/宿泊)地図
熱海電車冬の花火大会と早咲きの梅。都心より温暖。新幹線:東京駅より約45分交通:約0.8万円
宿泊:1.5万円〜
Map
伊豆高原電車カピバラの露天風呂と澄んだ相模湾の絶景。特急踊り子:東京より約2時間交通:約1.0万円
宿泊:1.5万円〜
Map
江の島電車関東三大イルミネーション「湘南の宝石」。小田急線:新宿より約1時間10分交通:約0.25万円
宿泊:1.5万円〜
Map
越後湯沢電車駅ナカの「ぽんしゅ館」で利き酒と雪見風呂。新幹線:東京駅より約1時間20分交通:約1.4万円
宿泊:1.2万円〜
Map
宇都宮・大谷電車巨大な地下採石場跡「大谷資料館」の幻想空間。新幹線:東京駅より約50分交通:約0.6万円
宿泊:0.8万円〜
Map
河口湖最も美しく見える冬の富士山。冬花火も開催。中央道:都内より約1時間30分交通:約0.7万円
宿泊:1.8万円〜
Map
秩父・三十槌天然の芸術「三十槌の氷柱」ライトアップ。関越道経由:都内より約2時間交通:約0.5万円
宿泊:1.0万円〜
Map
水上・宝川温泉圧倒的な開放感。雪に包まれた巨大露天風呂。関越道:都内より約2時間30分交通:約1.0万円
宿泊:1.5万円〜※冬タイヤ必須
Map
南房総ひと足早い「春」を感じる菜の花と花摘み。アクアライン経由:都内より約1時間30分交通:約0.6万円
宿泊:1.2万円〜
Map
御殿場大規模イルミネーションと冬のセール。東名道:都内より約1時間30分交通:約0.6万円
宿泊:1.5万円〜
Map

【旅のポイント】
電車派: 熱海や伊豆は冬でも比較的暖かく、新幹線を使えば移動も楽です。越後湯沢は駅周辺だけで完結できるので、雪靴さえあればスポーツをせずとも雪国情緒を味わえます。
車派: 秩父や水上方面は、絶景と引き換えに路面凍結の恐れがあります。必ずスタッドレスタイヤやチェーンの準備を。逆に千葉の房総方面は、雪の心配が少なく冬でもドライブしやすいエリアです。

東京発、夏を忘れる涼感スポット10選


夏の避暑地10選:アクセス・費用・魅力の比較一覧

先ほどご紹介した10カ所の避暑地を、比較しやすいように表形式でまとめました。予算や移動時間の許容範囲、車の有無に合わせて、一番しっくりくる行き先を検討してみてください。

避暑地移動手段主な魅力アクセス・所要時間費用目安(交通/宿泊)地図
軽井沢電車洗練された街並みと高原の冷気新幹線:東京駅より約1時間10分交通:約1.2万円
宿泊:2.0万円〜
Map
那須高原牧場や美術館など広域観光に最適東北道:都内より約2時間30分交通:約1.0万円
宿泊:1.5万円〜
Map
箱根・仙石原電車美術館巡りと湿原の爽やかな風ロマンスカー:新宿より約2時間交通:約0.5万円
宿泊:2.0万円〜
Map
奥日光都心より-10度。中禅寺湖の絶景いろは坂経由:都内より約3時間交通:約1.1万円
宿泊:1.8万円〜
Map
越後湯沢電車駅直結リゾート。手軽に高原へ新幹線:東京駅より約1時間20分交通:約1.4万円
宿泊:1.2万円〜
Map
富士五湖湖畔のドライブと水辺のアクティビティ中央道:都内より約1時間30分交通:約0.8万円
宿泊:1.5万円〜
Map
奥多摩電車都内の秘境。鍾乳洞や渓谷の冷気JR青梅線:新宿より約1時間40分交通:約0.24万円
宿泊:0.8万円〜
Map
清里高原八ヶ岳を望む牧歌的な風景中央道:都内より約2時間30分交通:約0.95万円
宿泊:1.5万円〜
Map
秩父・長瀞電車ライン下りと天然氷のかき氷西武特急:池袋より約2時間交通:約0.4万円
宿泊:1.0万円〜
Map
草津温泉標高1,200m。夜の湯畑散策が涼しい関越道経由:都内より約3時間交通:約1.1万円
宿泊:1.5万円〜
Map

交通費は往復の概算(電車は通常期指定席、車は普通車の高速料金+ガソリン代)、宿泊費は大人1名あたりの1泊2食付の標準的な相場です。夏のハイシーズンは価格が変動しやすいので、早めのチェックをおすすめします。

日帰りなら奥多摩や長瀞、1泊するなら軽井沢や奥日光といったように、スケジュールに合わせて組み合わせてみてください。

人事が読み解く「伊藤レポート」完全解説:人的資本経営の羅針盤を理解する





人事が読み解く「伊藤レポート」完全解説:人的資本経営の羅針盤を理解する

「伊藤レポート」は、特に人事の領域では、ここ数年で「人的資本経営」というキーワードと共に、まるでバイブルのように語られています。しかし、実際に中身をすべて読み込み、その背景にある「文脈の変化」までを把握できている人は意外と少ないのではないでしょうか。

伊藤レポートは、単なる「人事の改善案」ではありません。それは、投資家と企業の対話の在り方を変え、ひいては「日本企業の稼ぐ力」をどう取り戻すかという、極めて経営的な視点から書かれた戦略文書です。人事が経営のパートナー(HRBP)として機能するためには、このレポートが投げかけている問いに、自社の言葉で答えを出さなければなりません。

今回は、一連の伊藤レポートが何を伝えようとしているのか、そしてバージョンアップごとに何が強化されてきたのか。人事が押さえるべきポイントを徹底的に深掘りします。


1. 伊藤レポートとは何か? その全体像と「人」へのシフト

そもそも「伊藤レポート」とは、一橋大学の名誉教授である伊藤邦雄氏を座長とする経済産業省の検討会報告書の総称です。実は、金融・ガバナンス側からのレポートと、人事(人材戦略)側からのレポートの2つの大きな流れがあります。

始まりは「ROE 8%」の衝撃(2014年:伊藤レポート1.0)

2014年に発表された最初の伊藤レポートは、日本の人事界ではなく、主に経営層と投資家を震撼させました。そこで説かれたのは、「日本企業は資本効率を軽視しすぎている。持続的な成長のためにはROE(自己資本利益率)8%以上を目指すべきだ」という、極めてドラスティックな提言でした。

人事がなぜこれを知る必要があるのか。それは、このレポートが「企業価値の向上」の定義を確定させたからです。そして、続く「伊藤レポート2.0(2017年)」では、その価値を生み出す源泉として、有形資産(工場や設備)から「無形資産(技術、ブランド、そして人)」への注目が移り始めました。

人事が読むべき主役「人材戦略(伊藤レポート)」への派生

この「無形資産としての『人』が企業価値を左右する」という流れが決定定的になり、人事・人材戦略に特化してまとめられたのが、私たちが今日「人的資本経営の教科書」と呼んでいる以下のレポート群です。

  • 人材版伊藤レポート 1.0(2020年): 「人材戦略をどう経営戦略と結びつけるか」のフレームワークを提示。
  • 人材版伊藤レポート 2.0(2022年): 1.0の理論を「どう実践するか」という実行プロセスにフォーカス。

2. 人事が押さえるべき核心「3P5Fモデル」の徹底理解

人材版伊藤レポートにおいて、人事が最も暗記し、実務に落とし込まなければならないのが「3P5F(3つの視点、5つの共通要素)」というフレームワークです。これは、人材戦略を構築する際のチェックリストと言い換えても良いでしょう。

3つの視点(3 Perspectives)

人材戦略が「人事部の中だけ」で閉じることを防ぐための3つの軸です。

① 経営戦略との連動(Business-HR Alignment)
「経営戦略を実現するために、どのような人材が必要か」を論理的に語れるか。ここが全ての出発点です。

② As-is To-beギャップの定量把握
「現在の状態(As-is)」と「あるべき姿(To-be)」の差を、感覚ではなく数字で把握しているか。このギャップを埋めることが人事の仕事になります。

③ 企業文化への定着
どんなに優れた戦略も、文化に拒絶されれば機能しません。企業理念や行動指針が、社員の日々の行動にまで落ちているかを確認します。

5つの共通要素(5 Factors)

具体的にどのような取り組みに注力すべきか、日本企業に共通する課題として5つが挙げられています。

  1. 動的な人材ポートフォリオ: 未来の事業に必要な人材を、いつまでに、どこから(採用・配置・育成)確保するか。
  2. 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン: 単なる属性の多様性ではなく、「異能の掛け合わせ」によってイノベーションを生み出せているか。
  3. リスキル・学び直し: 環境変化に合わせて、社員のスキルをアップデートし続ける仕組みがあるか。
  4. 従業員エンゲージメント: 社員が自発的に貢献したいと思える環境か。主体性を引き出せているか。
  5. 時間や場所に捉われない働き方: 多様な人材を惹きつけるための柔軟な労働環境を整備できているか。

3. バージョンごとの違い:何が進化し、何が変わったのか?

「1.0」と「2.0」、そして2026年現在の視点から見て、提言のトーンや焦点がどう変わってきたかを整理します。

項目人材版 1.0 (2020)人材版 2.0 (2022)現在(2024-2026)の文脈
主なテーマ理論・フレームワークの提示実践・実行プロセスの具体化開示の質と「インパクト」の証明
キーワード人的資本経営の定義実行、可視化、対話AI活用、リスキルの実効性
人事に求める役割戦略の立案者変革の推進者(チェンジエージェント)データドリブンな価値創造者
投資家への視点開示の重要性の啓蒙開示を通じた企業価値の対話「稼ぐ力」への寄与の厳格な評価

変わったこと、変わらないこと

提言の本質的な目的(=人材を『資本』と捉え、投資して価値を最大化する)は、一貫して変わっていません。しかし、「言うは易く、行うは難し」という壁に多くの企業がぶつかった結果、2.0ではより具体的な「アクション」が求められるようになりました。

例えば、1.0では「リスキルが大事だ」と言うまでで止まっていましたが、2.0では「どのようなスキルが必要かを特定し、実際に学習した時間がどう事業成果(売上や利益)に繋がったかを可視化せよ」と、一歩踏み込んだ要求になっています。


4. 人事が「伊藤レポート」を実務に活かすための具体的アクション

レポートを読んだ後に、人事部として明日から何をすべきか。実務レベルでの「落とし所」を提案します。

① 「管理」から「価値創造」へのマインドセット転換

これまでの人事は、いかにコスト(給与や経費)を抑え、ミスなくオペレーションを回すかという「管理」に重きを置いてきました。しかしレポートが求めているのは、「投じた1億円の人件費を、いかにして1.5億円の価値に変えるか」という投資の視点です。人事企画の提案書に「コスト削減」だけでなく「リターン(収益貢献)」の予測を書くことから始めましょう。

② CHRO(人事最高責任者)と経営陣の対話の橋渡し

伊藤レポートはCHROの設置を強く推奨しています。人事はCHROに対し、単なる人員数や離職率の報告だけでなく、経営戦略のボトルネックになっている「スキル不足」や「組織風土の停滞」を、データ(BIツール等)を駆使して報告する必要があります。

③ 定量データ(人的資本KPI)の整備

伊藤レポート2.0では「可視化」が大きな柱です。ここで人事が準備すべきは、有価証券報告書に載せるための数字だけではありません。自社の経営戦略に紐づく独自のKPI(重要業績評価指標)を策定することです。

  • 例: デジタル変革(DX)が戦略なら、全社員に占めるITリテラシー認定者の割合と、DXプロジェクトによる削減時間。
  • 例: グローバル展開が戦略なら、海外経験を持つマネージャーの比率と、海外拠点のエンゲージメントスコア。

5. まとめ:伊藤レポートが私たちに問いかけていること

伊藤レポートを通読して感じるのは、「人事よ、経営のど真ん中に戻ってこい」という強烈なメッセージです。かつての人事は、単なる事務方や「調整役」に甘んじていた時期もありました。しかし、テクノロジーが進化し、ビジネスモデルが瞬時に模倣される現代において、最後に模倣できない差別化要因は「その組織で働く人の熱量とスキル」しかありません。

レポートで示された3P5Fは、決して「埋めなければならない宿題」ではありません。自社が、激動の市場で生き残り、輝き続けるための「戦略のキャンバス」です。

「うちの会社は古いから」「経営層の理解がないから」と諦める前に、レポートを武器にして対話を始めてみてください。人的資本経営へのシフトは、もはや「トレンド」ではなく、日本企業が生き残るための「唯一の生存戦略」なのですから。

人事のデジタル推進を「仕組み」で動かす。現場で使える5つのフレームワークとデータ活用の実践





人事DXを成功させる5つのフレームワークとデータ活用の勘所

「人事もデータドリブンに」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。ですが、いざ進めようとすると、散らばったExcelデータ、使いにくいシステム、そして何より現場の抵抗感……。課題は山積みではないでしょうか。

単に新しいツールを入れるだけでは、本当の意味でのデジタル推進(DX)は果たせません。大切なのは、「何を解決したいのか」を整理し、データをどう流すかという設計図を描くことです。

今回は、人事のデジタル変革を支える5つのフレームワークを、BI(ビジネスインテリジェンス)やETL(データの抽出・加工・取り込み)といったITの視点も交えながら、少し詳しく深掘りしてみたいと思います。


1. ECRS(イクルス):業務の「断捨離」と自動化へのステップ

デジタル化の第一歩は、今の業務を整理することです。改善の定石であるECRSは、人事の煩雑な事務作業を整理するのに非常に役立ちます。

  • Eliminate(排除): なくせないか?
    • 例:慣習で続けている紙の捺印フロー、参照されていない月次報告書。
  • Combine(結合): まとめられないか?
    • 例:採用管理と入社手続きで別々に入力している個人情報。
  • Rearrange(順序の入れ替え): 順番を変えたらスムーズか?
    • 例:承認の後にデータを入力するのではなく、入力時に自動でチェックをかける。
  • Simplify(簡素化): もっと楽にできないか?
    • ここでETLツールの出番です。

【実用例:給与計算のためのデータ集計】
勤怠データ、残業申請、住宅手当の変更届……。これらを毎月手作業でExcelにコピペしていませんか?
ETLツール(AlteryxやTableau Prep、あるいはもっとシンプルな自動化ツール)を使って、各システムからデータを抽出・結合・加工する工程を自動化すれば、人間は「エラーのチェック」だけに集中できるようになります。


2. ADKAR(アドカー):システム導入を「拒絶」させないために

どれほど優れたBIツール(データの見える化ツール)を導入しても、現場のマネージャーが使ってくれなければ意味がありません。人の意識変化を促すADKARモデルで、導入プロセスを設計しましょう。 [Image of ADKAR model for change management]

  1. Awareness(認識): 「今の管理方法では離職の予兆に気づけない」という危機感を共有する。
  2. Desire(欲求): 「BIツールを使えば、チームの状態が一目でわかり、面談の準備が楽になる」というメリットを感じてもらう。
  3. Knowledge(知識): ツールの操作方法だけでなく、「データの見方」を教える。
  4. Ability(能力): 実際に自分のチームのデータを見て、アクションプランを立てられるように伴走する。
  5. Reinforcement(定着): ツールを使って成果を出した事例を社内で表彰するなど、活用を習慣化させる。

3. マッキンゼーの7S:デジタルを組織の「体質」にする

デジタル推進を単なる「システムの入れ替え」に終わらせないためのフレームワークです。ハードのS(戦略・組織・システム)だけでなく、ソフトのS(スキル・人材・スタイル・価値観)をどう変えるかが鍵となります。 [Image of McKinsey 7S model diagram]

【実用例:BIツール導入の失敗を防ぐ】
System(システム)としてTableauやPower BIを導入しても、それを使う側のSkill(スキル)、つまりデータリテラシーが不足していれば宝の持ち腐れです。また、これまでの「勘と経験」を重視する経営者のStyle(スタイル)が変わらなければ、現場は結局、数字に基づいた提案を諦めてしまいます。


4. SWOT分析:自社の人事データの「健康診断」

戦略を立てる前に、自社のデジタル化の現在地を客観的に把握しましょう。特に「データ」という資産に注目して分析してみるのがおすすめです。

  • Strength(強み): 過去10年分の採用データがクリーンに蓄積されている。
  • Weakness(弱み): 評価データがPDFで保管されており、分析に回せない(構造化されていない)。
  • Opportunity(機会): リモートワーク下でエンゲージメントサーベイの重要性が高まっている。
  • Threat(脅威): 同業他社がAIを使ったマッチングで採用効率を大幅に上げている。

ここで「弱み」として挙がった「バラバラなデータ」を統合するために必要になるのが、ETLの概念です。バラバラなデータを一つの「データウェアハウス(DWH)」に集めることが、DXの基盤となります。


5. STP分析:従業員一人ひとりに最適な施策を届ける

マーケティングの定番手法ですが、人事における「従業員体験(EX)」の設計にも非常に有効です。全員に一律の施策を当てる時代は終わり、ターゲットを絞ったアプローチが求められています。

  • Segmentation(細分化): 「若手・中堅・管理職」といった階層だけでなく、「育児中」「エンジニア職」「地方勤務」など、データの属性で分ける。
  • Targeting(絞り込み): 特に離職率が高い層や、次世代リーダー候補にリソースを集中させる。
  • Positioning(価値の定義): その層にとって、自社で働くことがどんな価値(成長、安心、自由など)を持つのかを明確にする。

【実用例:BIを活用したリテンション(離職防止)】
BIツールで残業時間や有給消化率、エンゲージメントスコアを掛け合わせます。「特定の部署の、入社3年目、かつ残業が急増している社員」というセグメントを抽出し、アラートを出す仕組みを作れば、ピンポイントでフォローアップが可能になります。


まとめ:フレームワークは「迷子」にならないための地図

人事のデジタル推進は、ゴールが見えにくく、時に孤独な作業になりがちです。ですが、ECRSで無駄を削り、ETLでデータを整え、BIで価値を見える化していく過程は、確実に組織を強くします。